Máté Kamarásファンイベントレポート

遅ればせながら、”Frank & Friends”千秋楽の翌日、2010年3月22日に大阪・梅田芸術劇場メインホールで行われたMáté Kamarásファンイベントのレポートです。

開演は16時でしたが、座席は当日指定だったので、15時から劇場前で座席券の引き替えが行われました。15分ほど前に行くと既に長蛇の列で、Máté人気の高さに驚きました。会場前方の舞台上に、大型スクリーンが用意され、下手にはグランドピアノが置かれていました。客席は1階16列目前後辺りまで埋まっていたでしょうか。先着順で前方から配席していたようですが、下手とセンター前方はファンクラブの方が大半だったようです。劇場入口付近で、Mátéへの質問を記入する用紙が配布されていました。

イベントは、梅田芸術劇場のオフィシャル映像上映で始まりました。まずはMátéがスタジオで”Mitsuko”の「愛は国境を越えて」を稽古する映像が登場。ピアノ伴奏を聴きながら歩き回り、情熱的に歌うMátéの姿は、まさに梅芸の秘蔵映像。この映像を見て「来て良かった!」と思った方も多かったことでしょう。続いて『エリザベート来日記念コンサート』(2006年)、『マテ・カマラス×姿月あさと×武田真治Super Live』(2007年)、『ウィーン・ミュージカル・コンサート』(2008年)、『LOVE LEGEND』(2009年)の舞台映像が流れました。ひとしきり懐かしさに浸ったところに、Mátéがハンガリー語で「愛と死の輪舞」を歌いながら登場。”Frank & Friends”公演中にはあったヒゲはなく、髪もいつもより短めでふわっとウェーブしていて、何だか若返ったような気がしました(笑)。こんなキュートで可愛らしいMátéを見たのは久々でした。

ミュージカル曲は冒頭の1曲のみで、あとはGuns N’ Roses等のロックやMátéのオリジナル曲でした。曲名はその都度スクリーンに映し出されたのですが、そちらの方面には疎いもので、詳細は覚えられませんでした。Mátéも観客に「この曲知ってる?」と尋ねたり、観客のノリが今ひとつの曲には「皆知らないのかな?」とちょっと気にしている面もありましたが、ファンクラブの方々が振るペンライトを「指揮」したり、観客に自分の後について声を出すように指示したりと、とても楽しんでいることが伝わってきました。

インタビューコーナーの司会は、梅芸の女性スタッフの方。ドイツ語通訳の女性は、これまでの来日公演にも関わってきたという元劇団四季の女優さんで、「美女と野獣」でポット夫人を演じた経験がある方だそうです。舞台慣れしているだけあって、大変ユーモラスでノリのいい方で、暴走するMátéの手綱を引きつつの通訳が素晴らしかったです(笑)。インタビューは、舞台中央に用意された椅子に座って行われました。開演前に集めたアンケートから、まずは質問が多かったという”Frank & Friends/Mitsuko”についての感想。このところ舞台からしばらく離れていたけれど、久々に演じたことで舞台への愛が再燃したそうです。続いてアンケート回収箱からMátéが4つの質問を選び出しました。

「どうやってそんな厚い胸板になったのですか?」という最初の質問には、場内大爆笑(笑)。恐らく皆が気になっていたであろうこの質問を書いた人に、座布団10枚(笑)! Máté自身は予想外の質問に、鳩が豆鉄砲を食ったような反応で、笑いそうになる顔を覆ってパスしようとしましたが許されず、ひとしきり身悶えした後で、彼のような胸板は欧州人でも珍しく、父親譲りのもので、トレーニングでこうなったわけではないと答えていました。自分に子供が出来たら、きっと同じような胸板になるだろうと、胸を突き出してうろうろしてみせるMátéの姿は、アメコミのキャラクターのようでおかしかったです(笑)。

次の質問は「京都でお気に入りの場所は?」。Mátéは京都が大好きで、温泉旅館に泊まりに行ったこともあるそうです。

「好きな日本食は?」と聞かれた途端、「ユッケ!」と答えたMátéには、客席から「それはKorean!」と突っ込みが。慌てて寿司や焼肉と言い直したMátéは、焼いたもの全般が好きだそうです。「これも日本食じゃないかもしれないけれど、キムチも好き」と言うMátéに、客席から再び「Korean!」と指摘が飛んでいました。

「今までで印象に残った共演者は?」との質問には、まず姿月あさとさんを挙げていましたが、安蘭けいさんの話が一番長かったです。”Mitsuko”では綺麗な着物姿でしゃなりしゃなりと歩いていたのに、”Frank & Friends”ではパーシーとして颯爽と登場したそのギャップが、非常に印象的だったようです。着物でそろそろ歩く真似も披露するMáté(笑)。”Mitsuko”の舞台上では女性らしかった安蘭さんが、舞台裏でMátéと公演の成功を喜び合った時は、男らしいリアクションだったことにも受けていました。Mátéはもう5~6回宝塚を観劇していて、最初は女性ばかりの集団という点が物珍しかったようですが、今ではすっかり気に入ったようです。安蘭さん御本人も客席の一番後ろに来られていて、「”Frank & Friends”の出演者の方も来られているんですよ」と紹介されていました。

お楽しみ抽選会では、Mátéお気に入りのキャップや、過去の公演で着用したTシャツ等が、4名のラッキーなお客さんにプレゼントされました。キャップにはかなり愛着があったようで、「やっぱり出すの止めようかな」と引っ込めかける素振りを見せていましたが、梅芸スタッフに怒られるからと戻していました。Mátéの友人がデザインし、彼自身も着用していたオリジナルブランドのレッグバックを当てた方には、Mátéが自らバックをウエスト部分につけてあげていましたが、お客さんがスカートだったため、足に留めるはずのバンドがだらんと垂れ下がったままになってしまいました。「でも可愛いよ!」とフォローするMátéと同調する当選者&客席でした。

「残り時間は大丈夫?」と心配になってきたところでようやく始まった第2部には、この日のための特別ゲストが登場しました。舞台上に姿を現した蝶ネクタイにタキシード姿の男性は、何故か頭に透明なシャワーキャップ、そして水色のフレームのサングラスをかけていました。通訳さんがドイツ・Hamburg(ハンブルク)在住のピアニスト、Marcus Loeberと紹介する間も、表情はいたって真面目。「僕一人のコンサートをします」と宣言し、グランドピアノに向かうと、華麗な演奏を披露してくれました。そこへMátéも再登場。歌の冒頭でMátéがハーモニカを吹いたり、歌とピアノがお互い自分が主役だと譲らなかったりと、ライブというより音楽コント。途中で喧嘩を始めた二人が、お互いをののしり合いながら舞台袖に消えたかと思うと、バシッと殴った音がしてびっくり。すると頬を押さえて弱々しい表情をしたMátéがよろよろと出てきて、勝ち誇ったオーラを振りまきながらピアノの前に腰を下ろしたMarcusに「歌え!」と命令され、痛々しい顔でマイクに向かって悲しそうに歌い始めておりました(笑)。二人の強烈な個性がぶつかり合い、随所で笑いが巻き起こる漫才ピアノとでも言いたくなるようなこのライブ、いい意味で期待を裏切ってくれた楽しいイベントでした。2010年1月からコンビを組んだというこの二人のプロモーション映像が、YouTubeに載っています。

予定時間を40分もオーバーし、Mátéのエンターティナーぶりを思う存分堪能できたこのイベント、Mátéの希望によりきっちりした進行を決めずに行ったそうで、ライトや音楽もぶっつけ本番だったそうですが、スタッフの息もぴったりでした。このイベントのために、会場やスタッフを提供した梅芸の太っ腹ぶりに拍手です! 3000円でこれだけ楽しめたのも高評価。もしまたこういう機会があれば、是非行きたいと思いました。

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2 Comments

  1. ファンイベントのレポート、ありがとうございました。
    コンサート本体ではどうもおとなしい Mátéでしたから、こちらを聞けると満足度が高かったでしょうね。告知を見た時にはもう出勤が入ってて無理でした。残念。
    おかげさまで、ちょっと参加した気分になれました。安蘭さん、パーシーもですが楽屋でも男らしいんですね(笑)

    ドイツ語版の Richard がたっぷり聞けたことといい、相対的にやっぱり関西の皆さんの方が楽しめてますね! (東京の井上くんもかなり良かったですけど。ルドルフ曲は舞台の時より感動しました。そうそう、万里生くんのルドルフ、私も聞きたかったです)

  2. レポート、お楽しみ頂けて良かったです。ちょっと時間が経ってしまったので、記憶が怪しい部分もありますが。もっとMátéのロックな面に寄った内容かと思っていたので、ちょっと参加をためらった部分もありましたが、行ってみたら爆笑寄席でした(笑)。安蘭さんも爆笑トークに飛び入り参加したくて、客席でうずうずしていたかもしれません(笑)。

    ファンイベントも含めて、またこういう企画をして貰いたいですね! 今回は海外ゲストが少なかったのが残念でしたが、ドイツ語圏には他にも沢山いい役者さんがいるので、ウィーン・ミュージカル・コンサートでAndré Bauerを呼んだように、新しい顔を紹介してくれてもよかったのにと思いました。

    舞台版MitsukoではどのRichardが登場することになるのか、興味津々です。日本人キャストになるなら、井上君か万里生君なんでしょうね。

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