JanとKevinがBerlinのTDVに急遽出演

ドイツ・Berlin(ベルリン)のTheater des Westensで上演中の”Tanz der Vampire”に、復活祭直前の先週末、思いがけないゲストが登場しました。2013年3月23日(土)の昼夜公演にGraf von Krolockとして現れたのは、Stuttgart(シュトゥットガルト)版で同役を演じていたJan Ammann。そして翌24日(日)の昼公演では、今年7月のWien Musical Concert II出演で来日が決定しているKevin Tarteが、再びBerlinの舞台に立ちました。

予定外の二人の出演は、キャストの病欠により出演者のやりくりが付かなくなったことが原因でした。通常はアンサンブルの中に伯爵のカバーがいますが、アンサンブルに多数病人が出ると、そちらのカバーに回らないといけなくなってしまいます。その結果伯爵を演じられる人間がいなくなり、急遽経験者であるJanとKevinに招集がかかったのでしょう。伯爵と言えばThomas Borchertの名前も当然挙がるはずですが、Thomasはスイス・St. Gallen(ザンクト・ガレン)で”Moses – Die 10 Gebote”に出演中のため、スケジュールの都合が付かなかったようです。

FacebookのJan Ammann Official Fanpageによると、Janは土曜の朝に急遽Berlinに飛んだそう。書き込みの時点では夜公演に出演する可能性は非常に高いものの、実際に出るかもしくはスタンバイ(!)で終わるかは、夕方にならないと分からないという話でしたが、結局は昼夜公演ともJan伯爵の登場と相成りました。

Kevinの日曜昼公演への出演も、当日朝にKevinの公式Facebookへのコメントで判明しました。こちらもStuttgartから急遽飛行機でBerlinに駆けつけたようで、その日の夜にはとんぼ返りというハードスケジュール。公演6時間前に彼の出演を知ったKevinファンのドイツの友人達、チケットはまだ残っているけれど、時間と距離的にBerlinに駆けつけるのは無理だと悲鳴を上げていました。せめて前日に知っていれば、何とか駆けつけられたものをと嘆くミュージカルファンの心境は、いずこも同じです。逆に遠方在住でも偶然この日の公演を観ることにしていた人や、JanとKevinの公演をどちらも観ることが出来たという幸運な人もいたようでした。また二人とも伯爵経験者と言っても、実はJanはTheater des Westensにはガラコンサートでの出演経験しかなく、慣れない劇場でぶっつけ本番に近い形で2回公演をこなしたことへの賞賛の声も上がっていました。ロシア出身で伯爵の現在のファーストキャスト、Ivan OzhoginのFacebookには、週末の公演の救世主となったJanとKevinへの謝辞とスリーショット写真が掲載されています。

経験者を急遽登板させると言えば、ドイツ・Tecklenburg(テクレンブルク)の”Marie Antoinette”で、王妃役のAnna Thorénが喉を痛めたため、舞台上での演技は行うものの、歌の箇所はBremen(ブレーメン)版で同役を演じたRoberta Valentiniがオーケストラボックスから歌った回がありました。またドイツ・Bad Hersfeld(バート・ヘルスフェルト)の”Les Misérables”にJean Valjean役で出演予定だったYngve Gasoy-Romdalが、公演前の稽古中に病気で降板することになった際は、少し前までBerlinの”Les Misérables”に同役で出演していたOlegg Vynnykに出演オファーがなされました。故郷のウクライナに帰国していたOleggは、ソファーでくつろいでいたところに突然かかってきた電話にびっくりしたそうです。

Berlinの”Tanz der Vampire”は2013年8月25日に千秋楽を迎えます。勿論キャスト全員が元気に公演を続けてくれることが一番ですが、JanやKevin、Thomasといった歴代伯爵のファンにとっては、贔屓の伯爵が再登板する可能性があり得ることが分かった今回のサプライズ出演。多忙な彼らの出演スケジュールを見比べつつ、心を踊らせているファン達が増加しているのではないでしょうか。

Booking.com

3 Comments

  1. 私たちが観るときは誰かなとワクワクしています。
    Jan Ammann、Kevin Tarte、Thomas Borchertのうちの
    誰かが伯爵だったら最高ですが。
    WienでElisabethをみて、アンサンブルも含めてレベルが
    本当に高いことがわかっているので、誰でもそれなりの
    楽しみがあるとは思うのですが。UweがVon Helsing役で
    出てくれたら、もう最高ですが、それは甘いですよね。

  2. ごめんなさい。Draculaのコメントをかいた後に、これを読んだので、TDVとDraculaを混同してしまいました。
    spaさんが紹介してくださったDraculaのサイトを拝見した後、とても気になってDraculaをYouTubeでみたり、CDを聴いたりしています。それで頭のモードが“Dracula”になってしまいました。日本でも和央ようかさんで上演されますね。

  3. Märzさん、BerlinのTDVはファーストキャストのIvan Ozhoginの他に、Florian SoykaとUdo Eickelmannが伯爵のアンダーを務めているのですが、先日のKevinとJanのサプライズ出演の時は、3人とも風邪で出演出来なかったそうです。

    8月はJanはBad Hersfeldの"Show Boat"に出るので、ちょっと難しいかもしれませんが、ThomasのMagdeburgのレミゼ出演は終わっているので、可能性はなきにしもあらずといったところでしょうか。でも仰るように、今の出演者なら誰が出てもきっと楽しめますよ!

    Dracula、和央ようかさんの公演は初演の時に見て、DVDも持ってます。小野田龍之介さんと小西遼生さんがとても良かったのですが、再演は出ないようで残念。と言っても大阪公演がなさそうなので、恐らく再演は行かないと思いますが。

Leave a Reply

Your email address will not be published.




このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください