Der Besuch der alten Dame開幕(2014年2月)

1992年の”Elisabeth”世界初演でElisabethとDer Todとしてタッグを組んだPia DouwesとUwe Krögerが、スイス・Thun(トゥーン)の湖上舞台で2013年夏に共演した”Der Besuch der alten Dame”(老貴婦人の訪問)が、2014年2月19日にWien(ウィーン)のRonacher劇場で装いも新たに開幕しました。スイスの劇作家Friedrich Dürrenmatt(フリードリヒ・デュレンマット)の戯曲を下敷きに、Vereinigte Bühnen Wien(VBW、ウィーン劇場協会)のミュージカル部門総監督Christian Struppeck氏が自ら脚本を書き、PiaとUweの22年ぶりのWienでのミュージカル共演を実現させたこの作品、初日は万雷の拍手とスタンディングオベーションで好意的に迎えられました。

VBWのサイトに初日のカーテンコールとゲストの写真が掲載されています。ゲストの中にはLukas PermanとMarjan Shakiの姿が見えます。Kurier紙にも写真特集が掲載されています。ORFの初日レポート映像(2014年2月20日配信、一週間ほどでリンク切れになる可能性あり)では、初日を終えてほっとしたというUweとPiaが笑顔でインタビューに答えています。子役のIlia Hollwegも公演前は興奮していたけれど、終わって今は気分がもっと良くなったと答えています。初日ゲストのLukasとMarjanは、UweとPiaが一緒にお辞儀をしたのを見て、1992年の”Elisabeth”コンビだ!と大変感動したそうです。Piaはまだ駆け出しだった二人が一夜にしてスターになったと当時を懐かしく思い出しています。「Uweは完璧な俳優になった。声も素晴らしい。Piaは全てを照らし出す」とコメントする老紳士は、”Elisabeth”初演当時のVBW総監督Franz Häußler氏。Uweも「Piaの凄いところは僕からベストを引き出すところだよ」と長年の戦友を絶賛。そのPiaは「まだ若いのに老貴婦人に変身するのはどういう気持ちですか?」とインタビュアーに質問され、「私今年50歳になるのよ!」と朗らかに返しています。終演後のパーティーにはPiaパパとUweママが登場。Piaパパは「私達はこの子達同様、お互いをよく理解しているのですよ」とUweママとの仲良しぶりをアピールしています。

またORFの別のレポート映像(2014年2月20日配信、こちらも一週間ほどでリンク切れになる可能性あり)では舞台映像が紹介されています。ミュージカルファンの熱狂とは別に、”Der Besuch der alten Dame”の初日の成功が、最近ヒットに恵まれず財政的に苦しいVBWを救うきっかけになるかどうかを冷静に観察する視点も存在しているようです。VBWが500万ユーロの追加補助金を要求したことが話題になっています。

society24.atのレポート記事では、大迫力のコーラスと緊張感溢れる音楽に満ちた舞台映像が紹介されます。野外公演だったスイス公演ではモノポリーをイメージした抽象的な舞台セットが組まれていましたが、Ronacherではよりリアルな舞台美術になっています。衣装は基本的なデザインはThun公演に沿っていますが、防寒や防水対策を講じる必要がある野外公演のものに比べると、より繊細なテイストを感じる仕上がりになっています。司会者のElisabeth EngstlerはPiaの出演をとても楽しみにしていたそうで、Uweの方もまさにUweだと大興奮。ロビーでは病気でしばらく休養していた女優のDagmer Kollerがインタビューに応じ、「Piaは素晴らしいミュージカル女優だし、私はUweファン。これ以上まだ何かあるかしら?」と上機嫌。初日の大成功は、二人の強力なキャラクターとその間に起こるラブストーリーによってもたらされるでしょうと語っています。また記事の方では”Garbo”で成功を収めたMichael Reedと「スイスのAndrew Lloyd Webber」と呼ばれるMoritz Schneiderが音楽を担当し、歌詞と脚本をWolfgang Hofer(Udo Jürgensのヒット曲で”Ich war noch niemals in New York”でも使われた”Mit 66 Jahren”等の作詞を手がけたオーストリアのシンガーソングライター)及びVBWミュージカル部門監督のChristian Struppeckの両氏が担うという強力な制作チームにより、成功は予めプログラミングされていたと述べられています。記事中ではアジアへの作品輸出の話が既に進んでいることも紹介されています。見出しから考えると、どうやら日本での上演がありそうです。

“Der Besuch der alten Dame”の舞台機構の制作過程を早回しで紹介する映像、予告編、PiaとUweによるデュエット”Liebe endet nie”(愛は終わらない)のスタジオ収録風景を見ると、俄然舞台が観たくなります! 公演チケットは2014年6月29日分まで発売中です。2014年秋からRonacherでは”Mary Poppins”の上演が決まっているため、”Der Besuch der alten Dame”の公演期間延長はありません。観劇計画はお早めに!

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