Michael Kunzeへの5つの質問 Part 2

DramaMusicalsに連載中の”5 Fragen an Michael Kunze”(Michael Kunzeへの5つの質問)シリーズ、第1回目はお楽しみ頂けたでしょうか? 第2回目は2008年3月の5つの質問をご紹介いたします。なお回答当時と現在とでは状況が変わっていることもあります。予めご承知おき下さい。

質問1:ドイツでのRebeccaについて交渉中、あるいは交渉の予定はありますか? どういう状況でしょうか?

MK:現在のところ、Rebeccaについては諸外国の制作者との交渉が何件か進んでおり、様々な土地での上演が検討されています。

その中にドイツは含まれていません。どうしてなのか、それについては私から回答することは出来ません。恐らく2008年後半にもウィーンで上演されるという事実が、一つの理由なのでしょう。しかしRebeccaが遅かれ早かれドイツにやって来ることを、私は疑ってはいません。

質問2:あなたが手がけたミュージカルのために書いた歌の中で、特に強い愛着を持っている(または誇りに思っている)歌はありますか? あれば何故そう思うのですか?

MK:私が「愛着を持っている」と感じている歌は幾つかあります。その主な理由は、それらの歌が精巧に出来ており、記憶に残るものだと思えるからです。勿論それは決して私自身が達成し得たものではありません。それは常に、各作曲家との共同作業の結果なのです。”Ich gehör nur mir”(私だけに)が、愛着のある歌に数えられる理由は、Elisabethの物語からエッセンスを取り出しているからです。それと同時に、この歌はElisabethがどのように少女から女性に変化したのかを描いています。この全てが、とてもシンプルな旋律と構造を持つ歌の中で達成されています。そしてシンプルであり続けることは、最も難しいことなのです。

MOZART!の”Gold von den Sternen”(星から降る金)も、多くの点で似通っています。この歌にも、ミュージカルの物語が含まれています。それだけでなく、Wolfgang Mozartと彼の父親との間に起こる息子の義務についての争いが、ドラマティックなサブテキストとして存在します。Wolfgangは父に従わねばならないのでしょうか、それとも彼の天才性が自身に要求することを為さねばならないのでしょうか? この対立をおとぎ話の中に隠すというアイデアを思いつき、このためにSylvester Levayが作った最も美しいメロディーの一つを使ったことに喜びを覚えています。この歌は私達が作った中でも最も素晴らしい歌の一つだと、私は考えています。

最後にTanz der Vampireから、”Die unstillbare Gier”(癒せぬ渇き)についても言及すべきでしょう。私がこの歌で好きなのは、そのドラマティックな文脈の中に皮肉が満ちているのと同時に、私達が住むこの世界についての紛れもない真実を語っているところです。もし皮肉さがなかったとしたら、この歌は感傷的で薄っぺらなものになったことでしょう。ですがその皮肉さゆえに、この歌は輝いていると私は思うのです。

質問3:ミュージカルキャスティングショーについてどう思いますか? ミュージカル業界にとっての災い、あるいは幸福のどちらでしょうか?

MK:オーディションは、質の高いミュージカルプロダクションの配役には絶対に必要なものですが、内輪で内々に行われるものです。リーディングチームの構成員、キャスティング担当やプロデューサー以外は、歌唱オーディションに参加することは許されませんし、それにはしかるべき理由があるのです。多くのアーティストにとっては、選択の場に立つことは十分に大変なことなのです。こうした場では、遠慮のない観客の前で落ち着いていられなければなりません。

プロのオーディションでは、才能を証明することは殆ど問題ではなく(私達は才能があることを前提としています)、単に空いている役のタイプや声質に、誰が最も相応しいかだけが問題になります。キャスティングショーの参加者は自ら参加を申し込み、自分達が公の場で見られることを分かっています。選抜が真面目に行われる限り、そのことについて反対するつもりはありません。しかし残念ながら、テレビ局のプロデューサーは、とりわけ観客ののぞき見趣味におもねりたがるのです。それゆえ最初から全く問題にならないような候補者までもが、受け入れられるのです。そして才能がなかったり、肉体的に全くそぐわない人達が笑いものにされ、しばしば言葉によっても貶められるのです。こうした人達は、相手にしてもどのみち勝ち目のないようなプロと対戦させられます。私はこうしたことはいかがわしいと思いますし、更に酷くなると、人間蔑視だと考えます。こうした番組は、ある特定のミュージカルにとってはいい宣伝になるかもしれませんが、結果としてはこのジャンルの名声を傷つけてしまうのです。

質問4:あなたのミュージカルの翻訳の質が、どうやって確認されているかに興味があります。Elisabethのフィンランド語訳は、文体的にも内容的にも改善すべき点が多々あり、非常に残念に思っています。

MK:通常は翻訳を依頼する前に、委託先の翻訳者の業績情報に目を通し、試訳をしてもらうこともよくあります。いずれにせよ翻訳が出来た後は、そこから訳し戻したもの、大抵は英語訳を受け取ります。内容はこうして点検できますが、文体や「行間」に述べられていることを確かめることは出来ません。

原則として、私はその時々の制作者を信頼しています。なぜなら彼らは翻訳が一流のレベルに仕上がることに、最大の関心を寄せているからです。ある翻案についての評価(ミュージカルは本のように「翻訳する」ことは出来ないので、このことが問題になります)には、常に非常に多くの主観的なものが流れ込んできます。それゆえ常に批判は存在します。私にとって重要なのは観客の反応であり、外国での上演に際しては、常に彼らの反応を隅々まで観察しています。もっともフィンランドではElisabethを見ることは出来ませんでした。

質問5:Rudolfの後にTanz der Vampireがウィーンで上演され、その後DVDが出るという噂に興味を持っています。噂の真偽を教えて下さい。

MK:Tanz der Vampireがいつか再び誕生の地ウィーンに戻ることを、私は非常に望んでいます。しかし目下のところは具体的な計画はありません(訳注:その後、2009年秋にウィーンで期間限定上演されることが決定しました)。

噂には現実的な根拠はありません。DVDのリリースについては、もっと期待できません。舞台の映像化は、映画化の権利の明確化が前提となりますが、今のところ我々はそのことからは遙か遠い立場にあります。せめてもの慰めにお教えすると、Tanz der Vampireは大成功したベルリンでの上演終了後、ほぼ確実に今年中にドイツの別の場所で上演されることになるでしょう(訳注:2010年1月までOberhausen、その後Stuttgartでの上演が決まっています)。

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2 Comments

  1. Kunze御大のどのコメントも、非常に興味深い内容ですね!翻訳してくださってありがとうございました!!

  2. 訳はちょっと怪しい部分もありますが、Kunze御大の考えのエッセンスが伝えられるよう努力します。

    なお質問は英語でもOKです。どなたか挑戦してみませんか? 英語の場合は回答も英語で返ってきます。原文には本文中のリンクからアクセスできます。

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