Der Graf von Monte Christo感想

内容紹介の中でも少し感想を述べましたが、改めてまとめです。”Der Graf von Monte Christo”は、総合的には良くできた舞台でした。

まずは何と言ってもEdmond Dantès役のThomas Borchertの存在感。幸せ一杯のEdmondと、時に激しく、時に冷徹に復讐の道を行くMonte Christoという二つの顔を、抜きんでた声量と迫力で演じ分けていました。一人の人間の二面性といえば、ThomasがかつてWien(ウィーン)のRaimund Theaterで演じたJekyll & Hydeを思い出します。理想に燃える青年医師Jekyll役同様、Monte Christoも理知的で格好良く、社交界の注目を一身に浴びて登場する様などが、Thomasのイメージによく合ってました。

Mercédès役のSophie Bernerは、CDで聴くと英語版CDのBrandi Burkhardtよりも弱い気がしますが、実際の舞台ではもっと迫力がありました。若い娘から大人の貴婦人まで演じたSophieは、何と弱冠24歳! Thomas Borchertと並んで何の違和感もなかったので、てっきり30歳代半ばくらいのベテラン女優さんかと思っていました。2005年にBundeswettbewerb Gesang Berlin(ベルリン・ドイツ連邦歌唱コンクール)のミュージカル・シャンソン部門ジュニアの部で、第1位及びシャンソン賞を獲得している実力派です。ちなみにDanglars役のKarim Khawatmiも1995年に入賞しています。

ElisabethのLuigi Lucheniや、RebeccaのJack Favellといった、クセのある役で馴染みのあったFernand Mondego役のCarsten Lepperは、今回も濃いめの顔に悪役がよく似合っていました。Mercédèsを奪った最も憎むべき相手として、クライマックスでMonte Christoと剣を交える等、演技面では活躍を見せていましたが、考えてみたら歌の割り当てはあまりなかった気が。大して出番のないValentineにソロがあるのに、Mondegoにはなかったのがちょっと不思議でした。

Villefort役のChristoph Goettenは、Edmondの尋問シーンが最大の見せ場、DanglarsのKarim Khawatmiは、主にMondegoとつるんで出てきたので、単独での存在感は薄かったです。

ストーリー的には時間的制約の中、復讐劇よりもEdmondとMercédèsの恋愛の方に重点が置かれているのは、観客受けを考えると分かりますが、2幕のメインは3人の悪役が破滅していく様であって欲しかったです。1幕のドラマティックな展開から期待した分、2幕には物足りなさを感じてしまいました。キャストも衣裳も美術も音楽もいいのに、何かが足りない感じ。この底の浅さ感は、Wildhorn作品に共通するなあと思う次第。でも逆に深さを求めなければ、とても楽しめる娯楽作品だと思いました。同じ地方劇場でも、プロダクションのレベルがMarie Antoinetteを手がけたBremen(ブレーメン)とは全然違いました。さすがスイスの雄。客席もほぼ満席でした。劇場のおじさんも「Monte Christoは殆どチケットが残っていませんよ」と言ってました。

St. Gallenへは、チューリッヒ空港から30分毎の直通列車で1時間とアクセスもいいので、ウィーンミュージカル観劇との掛け持ちもお薦めです。2009/2010年シーズンの公演は、2009年12月23日、27日、31日、2010年1月16日、3月6日、4月5日。劇場サイトをチェックしたところ、更に2010年10月9日、16日、11月20日、12月11日、12月30日の5公演が追加されています。

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