2013年7月の一大イベント、Wien Musical Concert II(ウィーン・ミュージカル・コンサート2)の東京・オーチャードホール公演に行って来ました。
Wienメンバーの豪華さは名前を見ただけでも既に分かっていることでしたが、実際の舞台は想像以上の素晴らしさ! Vereinigte Bühnen Wien(VBW、ウィーン劇場協会)から借りたオリジナルプロダクションの衣装を身につけての公演は、それぞれの作品の美味しい所取り。特に”MOZART!”パートは初演WolfgangのYngve Gasoy-Romdal(イングヴェ・ガーソイ・ロムダール)に、初演時に実現しなかったMaya Hakvoort(マヤ・ハクフォート)のBaronin von Waldstätten、Kevin Tarte(ケヴィン・タート)とMark Seibert(マーク・ザイベルト)のColloredoにLukas Perman(ルカス・ペルマン)のSchikanederという超豪華な顔ぶれが、オリジナル版を彷彿とさせる振付と演出で登場し、まるで”MOZART!”の引越し公演を観ているかのようでした!
“Tanz der Vampire”では、ドイツ各地で1000回以上もKrolockを演じたKevin Tarteが初来日。何度もドイツで観劇しているにもかかわらず、彼をライブで観るのは今回が初めてでしたが、今まで観る機会がなかったのが悔やまれる素晴らしさ! 円熟の境地に達した演技は、永遠の時を生きる吸血鬼に相応しい、重厚さと威厳に満ち溢れていました。更に持ち役ではないColloredoとFranz-Josephの素晴らしさにも圧倒されました。今すぐにでも両役で出演して欲しいくらいです! Annemieke van Dam(アンネミーケ・ファン・ダム)のSarahの可憐さと伯爵に負けないパワフルさにも魅了されました。AnnemiekeはLukas Permanとの”Rudolf”パートでも、情熱的なMaryを見せてくれました。銀色のドレスが抜群のスタイルにとても合っていました。
同じく初来日のMark Seibertも、”Romeo und Julia”から懐かしのTybalt役の赤い衣装で持ち歌を聴かせてくれました。”Herrscher der Welt”(世界の王)ではLukas Permanとアンサンブルと共に、赤チームと青チームによる本編ではあり得ないコラボレーションを見せてくれました。”Elisabeth”で組んでいるAnnemiekeと披露したアフターボーナスショーの”AIDA”、美男美女カップルが見目麗しかったです。勿論現役ElisabethとDer Todによる”Wenn ich tanzen will”(私が踊る時)や”Rondo – Schwarzer Prinz”(愛と死の輪舞)も見所です。ドイツツアーでは色々物足りなさを感じてしまいましたが、Wienに移ってからは見違えるような進化を遂げている二人です。是非新世代のElisabethとDer Todをライブで体験して下さい!
今回大活躍だったのは何と言ってもLukas Permanでしょう! “Elisabeth”と”Rudolf”の両パートで皇太子Rudolfの異なる側面を演じ分けたかと思えば、”MOZART!”ではコミカルなSchikanederを演じ、”Romeo und Julia”ではダンス番組出演で磨いた腕前を披露し、トークでは日本語を交えてのご挨拶。更に出演者達に日本語指導も行っているらしく、Markは彼から舞台上では言えないような悪い言葉を沢山習ったそうです(笑)。
Yngve Gasoy-RomdalのWolfgangは、衣装をつけると初演時と変わらない姿だったことに驚きました! 姿だけでなくパワフルボイスも高音も健在で、タイムスリップして現れたようでした。本編では”MOZART!”だけの出演なのが勿体ない! アフターボーナスショーのMayaさんとのJekyll & Hydeの名曲”Gefährliches Spiel”(罪な遊戯)は、大物スター同士のプレミアムデュエット! 二人ともそれぞれ”Jekyll & Hyde”には出演していましたが、共演はMayaさんのトークにもあったように、実はコンサート版”Jesus Christ Superstar”しかなかったのです。その幻の組み合わせを日本で見ることが出来るとは! Yngveの黒いスーツに赤いシャツ、Mayaさんの深紅色のロングドレスと共に、大変印象的なナンバーになりました。
Mayaさんは最初なかなか登場せず、やきもきさせられましたが(笑)、ロングの縦ロールを片側に垂らし、水色の男爵夫人のオリジナル衣装を纏って現れた姿を見た途端、その美しさと貫禄に目が釘付けになりました! 男爵夫人役は最初Mayaさんにオファーが来ていたそうですが、制作過程の中で”Gold von den Sternen”が削られたため、Mayaさんは”Les Misérables”に出演する契約をしてしまったそうです。その後再び”Gold von den Sternen”は採用されましたが、時既に遅し、Mayaさんの男爵夫人は幻に終わってしまったのでした。ちなみにWolfgangの”Ich bin Musik”がWien版CDに入っていないのも、この曲自体が初演のごく早い段階で付け加えられたため、CD制作時にはなかったからだと聞いたことがあります。”Elisabeth”本公演は卒業されたMayaさんですが、”Nichts, nichts, gar nichts”(魂の自由)に”Boote in der Nacht”(夜のボート)、”Der Schleier fällt”(愛のテーマ)をWien版の衣装をつけて演じてくれました。Kevinとの”Boote in der Nacht”はコンサートならではの組み合わせ。こちらも横綱級の二人ががっぷり組んだ迫力に、息をするのも忘れそうなくらい引き込まれました!
韓国からの特別ゲストOak Joo Hyun(オク・ジュヒョン)、”Rebecca”の迫力には圧倒されました! あの細い体の何処からあんなパワーが出るのか、美肌の秘訣と一緒に教えて貰いたいです(笑)。”Rudolf”のMary Vetseraと”Rebecca”のMrs. Danversを両方演じられるというのも凄いです。衣装は韓国から持って来たのでしょうか、”Elisabeth”の白い衣装の手の込んだ装飾がとても素晴らしかったです。
Wienからやって来た歌とダンスに強いアンサンブルメンバー6名(Daniela Harbauer、Emma Hunter、Marianne Tarnowskij、Georg Prohazka、Johan Vandamme、Jurriaan Bles)も”Tanz der Vampire”、”MOZART!”、”Romeo und Julia”、”Elisabeth”で大活躍! 激しいダンスとコーラスを両方こなせる人材が来てくれて、嬉しい限りです。
まだまだ語りたいことは沢山ありますが、とにかく素晴らしい公演を一人でも多くの方に観たいと思って頂けるよう、突貫レポートでお送りしました。今後の日程は次の通り。まだまだ公演は始まったばかりです!
Wien Musical Concert II
ウィーン・ミュージカル・コンサート2
梅田芸術劇場メインホール
2013年7月11日(木)~ 2013年7月15日(月)
東急シアターオーブ
2013年7月20日(土)~ 2013年7月22日(月)
spaさん、レポート、お待ちしてました(笑)
オーチャードでは、この会場のどこかにいらっしゃるのだろうなと思いつつ、鑑賞していました。
昨日もレポートを催促するようなコメントをさせていただきましたが、spaさんのレポートを読んだら、その場の感動が甦ってきます。思わず、「そうそう」と相づちを打ってました。
特別ゲストOak Joo Hyunやアンサンブルメンバーも含めて、何とも贅沢なメンバーでのコンサート、CDかDVDをぜひとも出して欲しいと思います。
もちろん、大阪公演にも行きます!シアターオーブには残念ながら行けませんが(>_<)
何度でも聴きたい、ずっと聴いていたいコンサート、この週末がホントに楽しみです。
Märzさん、早速ご覧になっていたのですね。めくるめく音楽の渦に揉まれながらの、あっという間の3時間でしたね! 私も塩田さんの4番バッター発言には「まさに!」とうなずいておりました。素晴らしい演奏をされたオケメンバーの皆さん、特に2回公演は大変ですよね! でもあの強力なメンバーの歌声を聴いていると、きっと疲れも吹き飛んで、もっともっと良い演奏をと力が入ったのではないでしょうか。オーケストラと指揮の塩田さんの感想を書き漏らしてしまいましたが、ウィーンキャストが絶賛したのも分かる素晴らしさでした。クラシックに詳しい友人も、オケレベルの高さを賞賛していました。
Lukasのエンターティナーぶりは、今回の見所の一つですね。コンサートだと普通では回ってこない役柄を担当するチャンスがありますね。Markも学生時代に"MOZART!"を見に通ったそうですから、Colloredoの衣装を着てあの場面に登場することが出来て感激しているのではと勝手に想像しております。Yngveの後ろにAnnemiekeが盛った鬘とドレス姿でアンサンブルとして登場する豪華さに参りました(笑)。
今は梅芸サイトのダイジェスト映像で飢えをしのいでおります(笑)。DVDかCD化情報が欲しいです! もしCDしか出なくても、何らかのオマケ映像をつけて貰いたいです。
Märzさんもまた大阪での感想をお寄せ下さいね。
アンケートにDVD化希望と書いてきました!
usagiさん、私も書きます!
spaさんこんばんは。konです。
私もオーチャードでの土曜日2公演に行きました。
MayaさんとLukas君以外は初めて生で拝見しましたが出演者全員素晴らしく豪華な内容であっという間でした。
特にAnnemiekeさんとYngveさんにすっかり心を奪われました(笑)
Annemiekeさんは美しさだけではなく、歌声の力強さと演技の繊細さが素晴らしかったです。是非Elisabethを全編通しで拝見したくなりました。サイン会も参加しましたが、あまりの美しさに見とれてしまいました…。
Yngveさんはもうヴォルフガングそのものという感じで、子供のように無邪気で、そして苦悩する姿がとても心に響きました。歌ももちろん素晴らしかったです!
Wien初演のCDにIch bin Musikが入っていないのが本当に残念です。
今、以前教えていただいたJesus Christ superstarの音源を探しているところです(笑)CDは入手が難しそうですね。データならすぐ買えるのですが。
大阪は行けませんが、東京後半のオーブは通いますのでとても楽しみです。私もCD化希望とアンケートに毎公演書いて出してきます!
長文失礼いたしました。
konさん、お返事遅れてすみませんでした。オーチャードに引き続き、梅芸でも熱い夏祭りが繰り広げられておりましたよ! 回を重ねる毎に出演者のノリも良くなってきて、本当に素晴らしい時間を味わわせて貰っています。ただ今のところCD化の気配がないのが残念です。個人的には全てのアフターボーナスショーも入れて作って欲しいです。
JCSのCDは発売から10年経っているので、在庫も少なくなっているのかもしれません。でもデータが購入出来るとは、いい時代になったものです! 名盤なので是非是非聴いてみて下さいね。
Märzです。
ホントにこのコンサートでDVD、少なくともCDを出さないなんてどうかしてる!と思う豪華な内容です。
それぞれのミュージカルについて、全編通してのCDは持っていても、
コンサートでの歌い方とは全然違いますし、これだけのメンバーがそろうと
みんな張り合うので、パワーがとんでもなく増幅しています。
今日から梅芸のコンサートに行きます!
konさん、Yngveがタイトルロールを演じているJSCのCD、
ドイツアマゾンで今も買えますよ。私はいつもアマゾンで買っていますが、
輸入だと消費税がかからず、送料もそれほどかかりません。
何枚かまとめて買うのがお得です。
spaさんの情報を参考にしながら、新しいCDを仕入れています。
でも、今、一番欲しいのはWien Musical ConcertⅡのCDです!
Märzさん、JCSのCD補足情報ありがとうございました。私はドイツに行く前にSound of Musicでまとめて注文して、友人宅に送ってもらうことが多いのですが、Amazonも使えそうですね。
Wien Musical ConcertⅡのCD、私も喉から手が出るほど欲しいです! 特にCDに入っていない"Ich bin Music"が聴きたくてしょうがないです(笑)。
お久しぶりです!
私もオーチャードホールに行きました。
アフターショーがレミゼの回です。
もうみなさんすごかったですね~言葉が・・・出てこない(汗
今年は4Starsに続き、世界のクオリティーを堪能させて頂いてます。
spaさん、いつも丁寧なレポートありがとうございます!
感動がよみがえります。
それから、去年ここの情報からテクレンブルクに行くことが出来て良かったとあらためて思いました。Yngveさんに会っていたのですよね。
この週末は、大阪公演を1回観る予定です。その後は、シアターオーブにも行きたいと思っています。
本当に、CDかDVD出して欲しいですね!
juliさん、感想ありがとうございました。Tecklenburgで聴いたYngveの"Illusionen"を1年後に日本で聴くことになるとは、全く思っていませんでした! オーブに行かれるのであれば、メンズスペシャルの回で是非Tecklenburgを思い出して下さい! それとももう既に梅芸で鑑賞されたでしょうか。私は今脳内で何回も再生しています(笑)。
梅芸、行ってきました!
今日はギリギリに都合がついたので、とりあえず3階席でしたが、
それでもパワフルな歌声に十分感動できました。
ドイツ語のみのバージョンで、オクさんも素晴らしいのですが、
やっぱり私はドイツ語のMusicalが好きなんだと改めて思いました。
全員、とても素晴らしかったのですが、やはりMayaさんはすごいです。
年齢を重ねても声の伸びやかさは失われず、存在感は増すばかりです。
近くに座った方がWienで音楽を学んでいるとのことで、今は夏休みで
こちらに帰っているそうです。Elisabethはもう40回以上行ったとの
お話でとても羨ましかったです。そんな方でもこのコンサートは特別、
これだけのメンバーを一度に観ることができる機会はないので
いらっしゃったそうです。
そんな値打ちのあるコンサートなんですが、今日、劇場の男性に
CDやDVDを出す予定がないのか聞いてみたら、今のところ
そんな話はまったく出ていないとの素っ気ない返事。悲しいです(>_<)
サイン会にもまたまた参加してしまいました。
オーチャードよりも並ぶ場所もきちんと準備され、流れもスムース、
マジックがつかないように間に挟む紙もちゃんと用意されていました。
ふふっ、まだあと2回あるのですよ(*^_^*)
Märzさん、相当ヒートアップしておられますね。かく言う私も同じ時間、梅芸の片隅におりましたが(笑)。
オクさんも素晴らしい歌声ですが、やっぱりウィーン・ミュージカルというからには、ドイツ語の響きを求めてしまいますね。この日は"Rebecca"の2曲ともMayaさんで聴けたのが良かったです。St. Gallenの舞台で観たときよりも、迫力が増していたように思えました。
隣席の方のお話、羨ましい限りです。向こうは割引が色々あるので、住んでいたら通い詰めてしまいそうです(笑)。そんな本場から帰省中の方にとっても魅力的なラインナップが、ここ日本で体験出来ることに本当に感謝しています! その感動を持続させるためにも、CDかDVDを手元に持っておきたいですよね。
サイン会、毎回長蛇の列にびっくりしています。梅芸で衝立が立っていたのは、出演者が待ち人の多さに圧倒されるのを防ぐためかなと思ってしまいました(笑)。公演の後に更に1時間半もサイン会とはお気の毒ですが、貰う側としてはこうしたファンサービスはありがたいですよね。