Tecklenburgへの行き方

このブログで何度もご紹介している野外劇場Freilichtspiele Tecklenburgで有名なドイツの小都市Tecklenburg(テクレンブルク)。2012年夏には”Marie Antoinette”と”Hairspray”が上演されます。日本のガイドブックに載るようなメジャーな観光地ではなく、主要路線からも外れているので、観劇旅行の行き先としては少々ハードルが高い場所ではありますが、童話に出てくるような可愛らしい家と石畳が素敵な町に滞在し、緑に囲まれた野外劇場で豪華な出演者によるハイレベルな公演を堪能すれば、はるばる足を伸ばした甲斐があったと思うこと間違いなし! 2009年のEvitaと2010年の3 Musketiere(三銃士)を観に行った際の体験をご紹介しますので、これから旅行を考えている方は、参考にしてみて下さい。

Tecklenburgはドイツ北西部Nordrhein-Westfalen(ノルトライン・ヴェストファーレン)州に位置し、Münster-Osnabrück(ミュンスター・オスナブリュック)空港からは15 kmです。最寄りの鉄道駅はIbbenbüren駅及びLengerich駅、そこからバスまたはタクシーで15分ほどでTecklenburgの中心地Marktplatz(マルクト広場)に着きます。


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2009年7月は、Köln(ケルン)から鉄道とバスを乗り継いで行きました。Deutsche Bahn(ドイツ鉄道)サイトで事前に調べた行き方は次の通り。全行程3時間。

Köln Hbf 11:21発 Münster(Westf)Hbf 13:22着 Regional-Express(地域間急行)
Münster(Westf)Hbf 13:34発 Lengerich(Westf) 13:54着 WestfalenBahn
Lengerich (Westf) Bahnhof 14:05発 Tecklenburg Bahnhof 14:22着 Bus R45 (Ibbenbüren Busbahnhof行きバスR45)

Tecklenburgには駅はないはずなのに、何故かバス停名はTecklenburg Bahnhof(テクレンブルク駅)。この当時は途中のバス停名は分からず、何処で下りるのかはっきりしないまま、日本を出発することになってしまいました。


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Münster(ミュンスター)まではIntercity(IC)も走っていますが、二人だったのでSchönerTagTicket NRWというチケットを当日券売機で購入しました。このチケットはNordrhein-Westfalen州内であれば、月~金の午前9時から翌日午前3時までと土日祝の終日、5名まで1日37.50 EUR(2012年6月現在)でRE、RB、S-Bahn等の近郊列車及びバス、U-Bahn(地下鉄)、Straßenbahn(路面電車)が乗り放題になるというお得なチケット。1名用のSchöner-Tag-Ticket NRW Singleも27 EUR(2012年6月現在)で購入可能です。Tecklenburg行きのバスにも有効でした。

Köln Hauptbahnhof(ケルン中央駅)外観。

中央駅プラットフォーム。正面の水色の文字”ECHT KÖLNISCH WASSER”は「本物のケルン水」という意味。Kölnはオーデコロン発祥の地で、オーデコロンはフランス語で「ケルンの水」という意味です。

Münster Haubtbahnhof(ミュンスター中央駅)で第3セクターのWestfalenBahnに乗り換え、Lengerich(レンゲリッヒ)へ。写真はLengerich駅のホームです。

Lengerich駅の外観。

駅舎の向かいの景色です。

Lengerich駅はタクシーが待っているような都会ではありません! タクシーに乗る場合は予め電話して、迎えに来て貰うことになります。2010年はドイツの友人に調べて貰ったタクシー会社にLengerichに向かう電車から電話して、到着に合わせて来て貰いました。Tecklenburgまでは15.80 EURとなかなかいいお値段でした。利用したタクシー会社と電話番号は次の通り。

Das Taxi-Unternehmen Söhner in Lengerich
Tel.: 05481/82525

Tecklenburgはこの遙か彼方・・・。

Lengerich駅前に到着したTecklenburg経由Ibbenbüren Busbahnhof行きのバスR45。

舞台の宣伝看板が見えて一安心。

バスの運転手さんに「TecklenburgのMarktplatzに行きたいのですが、何処で降りればいいでしょう?」と尋ねたら、「Marktplatzは知らないけど、この先何もないから降りるならここだよ」と言われて降りたバス停は、Bussteig B Tecklenburg Stadtというところでした。他の乗客も皆ここで降りていたので、思い切ってここで下車しました。

後日改めてDeutsche Bahnのサイトで調べたところ、下車バス停を”StadtBussteig B/2, Tecklenburg”とすれば検索できることが分かりました。途中のバス停名も全て表示されます。

ちなみにバス停”Tecklenburg Bahnhof”はこの次。滞在中、散歩がてら行ってみました。延々と坂道を下って行き着いた先は・・・

何もない・・・。

バス停の近く、草ぼうぼうの線路沿いに建つ煉瓦造りの廃屋こそが、Tecklenburg Bahnhofでした。

定期路線が廃止になり、今では夏のイベントで蒸気機関車が走る時だけ使われている駅のようです。ここで降りていたらとんでもない目に遭うところでした!

話は元に戻ります。

バス停Bussteig B Tecklenburg Stadt。写真向かって右手が上り坂になっています。

道なりに行くとパン屋さんがあります。喫茶スペースでは朝食メニューも提供しています。

2010年は朝食無しのペンションに泊まったので、毎朝ここに通いました。焼きたてパンが絶品です。朝はひっきりなしに車でお客さんが訪れる人気店。朝食中の俳優さん達にも遭遇しました!

パン屋さんの角を左に曲がります。

バス停のある方向を背中に、パン屋さんを左手にして立った位置から撮った写真。この通りはPagenstrasseです。中央の白い建物に突き当たって右手に曲がると、Tecklenburgの旧市街、Landrat Schultz Strasseに入ります。

Jugendherberge(ユースホステル)、Gästehaus Konermann、Hotel Drei Kronenへの標識が出ています。矢印の方向にMarktplatzがあります。

Landrat Schultz Strasseを真っ直ぐ進みます。

Pagenstrasseから見えていた白い建物を左手に見ながら道なりに歩き、Marktplatzに向かいます。

来た方向を振り返ったところ。

石畳の狭い通りの両脇には、木組みの家が建ち並んでいます。

この通りをMarktplatzに向かう途中にHotel Drei Kronenがあります。2009年の最初の訪問時に宿泊しました。

ホテルの入口はここ。

朝食が大変豪華でした! Mett(メット)という塩胡椒や香辛料を効かせた生の豚ミンチが出てきたのにはびっくり。日本では考えられませんが、ドイツの友人曰く、生産当日にしか提供できないものなので、新鮮だから大丈夫とのこと。何事も経験かと試してみましたが、食中毒が怖くてほんのちょっと舐めただけだったので、美味しいかどうかよく分かりませんでした(苦笑)。

Hotel Drei Kronenを過ぎると、間もなくTecklenburgの旧市街の中心、Marktplatz(マルクト広場)に到着します。広場の中央には噴水があります。

広場に面して観光案内所があります。ここで地図を貰いました。

観光案内所に向かって右手の道を行くと、アーチの向こうに野外劇場に通じる坂道が現れます。

劇場チケット販売窓口。劇場は更に坂道を上った先です。


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16 Comments

  1. spaさま 詳しいTecklenburg情報をありがとうございます!!たくさんの写真を眺めていると思いはTecklenburgに飛んでいきます。プリントアウトしてお守りのように持っていきますね。見れば見るほど、素敵な町ですね。1泊ではもったいないと思い始めたりして・・・。とはいえ、やっと全行程のホテルを予約し終わったので、Tecklenburgにできるだけ早く到着してお散歩することにしましょう。本当にありがとうございます!(ちょっと興奮しています)(笑)

  2. spaさん、温かいメッセージをありがとうございました!
    インターネットや移動手段の発達した現代、外国は決して遠い存在ではないですね。実際に向こうで活躍されている方のことを聞いて、とても勇気がでてきます。全ては自分次第ですね!
    今の自分にできることをしながら、計画を立てていこうと思います!
    とりあえず、今すぐにこの場でできること、、、歌やドイツ語(英語)を楽しみながら磨いていきたいと思います!大好きなことだから、その道のりもきっと楽しく幸せな道にしていけます。
    最近はつくづく私はこの世界に出会うために今まで音楽をやってきて、大学ではドイツ語を勉強できることになったんだな、と思います。思い込み!大事ですよね(笑)私にとっては運命的な出会いです。

    ブログにも来ていただけたなんてうれしいです。ありがとうございます!これからもちょこちょこ書いていくので、是非また遊びに来て下さいませ。

    Tecklenburg、いいですねー。ぜひ、ぜひ行きたいです。行きつくまでがなかなか遠そうですが、ドイツという国•街並み•雰囲気も大好きなので魅力的です!そして、そこでの素晴らしいミュージカル、、、珠玉のひと時でしょうね☆

    コメントを拝見して、spaさんをはじめ19日のコンサートに行かれる方がいらっしゃるのですね!
    みなさま、楽しんで来て下さい(^ ^)

  3. エムさん、写真を見過ぎると実際に行かれたときの感動が薄まってしまうのではないかと少々心配ではありますが、大都市以外の劇場にも足を運んで貰えるきっかけになればと思っています。写真はあくまで写真、エムさんが自身の目でご覧になる景色の方がずっと印象的だと思いますよ! 地図を片手に街歩きを楽しんで来て下さいね。

    Ruriさん、前向きな姿勢がとても素敵です! 人生は楽しんだ者勝ちだと思います。Ruriさんが楽しいと思う気持ちを、ミュージカルを通して伝えていけるといいですね。私も自分が楽しいと思うドイツ語ミュージカルの世界の魅力を、このブログで少しでも伝えていくことが出来ればと思っています。

    19日のコンサート、今から楽しみです。ファン向けのメッセージによると、Mayaさんは週末に東京入りして、Mátéの舞台をご覧になるそうです。取材予定が沢山入っていて忙しい滞在のようですが、久々の日本を楽しんで貰えることを願っています。

  4. はじめまして。テクレンブルク、6年前に行きました。
    ドイツ語は超片言でドイツは初めてという人間ですが、ドイツ鉄道のサイトの検索でバスも含めた乗り継ぎを前もって調べておき、バスに乗る時そのバスで間違いないか確認する意味で運転手さんに行き先を告げておいたら、降りるバス停で声をかけてくれました。
    あとは標識に記された通りの名前と野外劇場のサイトから印刷した地図と最終奥義「通行人に聞く」を併用してちゃんとたどり着けましたよ。結構なんとかなるもんですよね。

  5. ぶらんでぃさん、初めまして。初めてのドイツでテクレンブルクに行かれたとは凄いですね! 6年前ということは、レミゼをご覧になったのでしょうか? 確かに案ずるより産むが易しで、行ってみればこんなものかという感じでした。のどかでいいところですよね。昼間はまったりする以外にやることがないのが難点ですが・・・。

  6. 観に行ったのは Uwe が出演した精霊降臨祭のガラコンサートです。泊まったホテルは Drei Kronen でした(^^)

  7. ぶらんでぃさん、精霊降臨祭のガラコンサートとは随分濃い初ドイツでしたね! 

    Uweといえば、今は"The Sound of Music"。打診されているという来日公演が実現すると嬉しいですね。

  8. spaさん初めまして。
    いつもブログやツイッターなどで,spaさんの発信される独語ミュージカルの最新情報を楽しみに拝見しております。
    私,フランスに住んでいまして,いつか見に行きたいと思っていたテクレンブルクの野外劇場,今年は大好きなRebeccaがやるというので,なんとかして行きたいと思っています!
    が,ドイツ語は全くできず,英語にも不安があるので,テクレンブルクまで無事に着けるか不安に感じています・・・。
    テクレンブルクへの行き方は今年もこの記事に書いてあるものから変わりはないでしょうか?

    いきなりのお尋ねで恐縮ですが,よろしくお願いします。

    • Kさん、初めまして。
      フランスにお住まいとは奇遇です。先日テクレンブルクで落ち合ったパリ在住の友人もドイツまで電車とバスを乗り継いで来ていました。

      久々に記事を見直しましたが、2017年現在、テクレンブルクへの行き方は基本的に同じです。今はバス停の標識が変わっていて、路線はR45しか表示されていません。パリからの場合は北駅発で、Deutsche Bahnのサイトでは目的地をTecklenburg Stadt Bussteig B/2とすれば時刻表を検索出来ます。降車場所はバス内の電光掲示板ではTecklenburg Stadtと表示されます。私は今回ベルリン方面から移動したところ、LengerichではなくIbbenbürenからバスに乗るルートになりました。どちらの駅からもR45のバスで、電車の発着に合わせたダイヤになっています。

      Lengerichは私が行った時はタクシーは停まっていませんでしたが、ここ数年は電車の到着時刻に合わせて一台停まっていることがあるようです。Ibbenbürenの駅前では3台ほど客待ちしていました。Ibbenbürenの方がやや発展していますが、TecklenburgへはLengerichの方がやや近いです。テクレンブルクの街中から徒歩圏内のホテルは2軒、Hotel Drei KronenとHotel Bismarckhöheです。Hotel Drei Kronenまでは自力でスーツケースを運ぶのは可能ですが、バス停からHotel Bismarckhöheまでは坂道を延々と歩くことになります。ホテルからバス停まで迎えを頼むか、あるいは駅からタクシーで行くことをお薦めします。ちなみにHotel Drei Kronenの朝食はここ数年で大分簡素化されたようです。

      “Rebecca”は近年にまれにみる勢いでチケットが売れています。8月23日20時からの追加公演が決まって、丁度売り出したところなので、この日はまだ比較的良席を押さえられると思います。なかなか上演されるチャンスがない作品なので、この機会に是非ご覧下さい!

  9. spaさん,早速のお返事ありがとうございます。

    詳しいご説明ありがとうございます,よくわかりました!Deutsche Bahnのサイトを見てみたのですが,本当に細かいところまで表示されていて凄いですね。フランス人との差に愕然とします笑

    日程的に12,13日くらいしか行けなさそうで,チケットサイトを見てみたのですが,仰るとおり既に上手下手の屋根にかからない席か,30列以降の後方席しか残っていませんでした・・・!かなり横に長い劇場だとも聞いているのですが,上手と下手ならどちらの方が見やすいでしょうか?立て続けに申し訳ありませんが,ご存知でしたら教えていただけますか?

    • Kさん、お役に立ったようで良かったです。
      丁度行ってきたところなので、取材成果を披露出来ました(笑)

      テクレンブルクは下手から舞台中央にかけての辺りを中心に使うので、下手の方がお薦めです。

      チケットは郵送だとDHLになってしまい、隣国フランス宛てでも送料が非常に高くなってしまうそうです。私は宿泊先のホテルに送ってもらいました。日程が近づいているので、状況によっては当日現地で買うことも考えられます。ただ問題は宿泊先で、Rebeccaの公演がある土曜日は非常に厳しい状況です。日曜日の方がまだましかもしれません。まずは宿泊先を確保されることをお薦めします。

      • 日曜日の宿,教えていただいたところは既に満室でしたが,別のホテルが1室だけ残っていたのでなんとか滑り込みで確保できました,本当にありがとうございます・・・!
        チケットの郵送料は確かに高いですね。私もまずはホテルに郵送可能か聞いてみて,ダメなら当日券狙いで行こうかなと思っています。

        行くことが現実的になってきて,いよいよワクワクしてきました笑

        • Kさん、凄い行動力ですね! 宿泊先も確保出来たようで良かったです。先に挙げた2軒以外は徒歩での劇場行きは難しく、テクレンブルクではタクシーも近隣の町から呼び寄せるしかないので、往復の手段を事前によくご確認下さいね。

          当日天気が安定しているようなら、屋根がない前方席を狙う手もありますね。残席数と天候をチェックしながら検討してみて下さい。

          楽しい観劇の旅になりますように!

          • spaさん,ありがとうございます!
            無事に観ることができましたら,またご報告させていただきますね!

          • spaさん

            無事にテクレンブルクに行ってきました!spaさんのこの記事に載っている写真どおりの駅や街並が見えた時は,感激してしまいました笑
            肝心の公演も本当に素晴らしく,少し無理をしてでも行ってきて良かったです!色々と教えていただき本当にありがとうございました!

  10. Kさん、テクレンブルク観劇旅行、楽しまれたようで良かったです! 実際に足を運ばれると、拍子抜けするくらい小さな町だったかと思いますが、行くまではどきどきしますよね。私も初めてのテクレンブルク遠征の際は緊張したものです。最近ドイツは天候が不安定なことが多いようですが、移動や公演に支障はなかったようで安心しました。

    諸般の事情から”Rebecca”ウィーン初演時には出演しなかったPia Douwesですが、Mrs. Danversの曲は彼女を念頭に作られたので、今夏彼女の”Rebecca”出演が実現したのは本当にありがたいことでした。次はボンで”Sunset Boulevard”に出演するので、もし興味がおありでしたらどうぞ! ウィーン”Rebecca”の「わたし」役Wietske van Tongerenも同公演に出ます。

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